RA東京、「日本アンプティサッカー選手権大会」をサポート
報告:常任理事 加藤 慎一
NPO法人東京都サッカー審判協会(RA東京)は、昨年11月3日、神奈川県川崎市で行われた
「第3回日本アンプティサッカー選手権大会」に協力、大会審判委員を派遣しました。
一昨年12月にNPO法人日本アンプティサッカー協会から「競技規則の精査、普及」、
「アンプティエドュケーション(アンプティーの啓発活動)」、および「試合等での審判協力」を主とした協力依頼を受け、
常務理事加藤を中心に活動を進めてきました。
アンプティサッカーは、下肢の切断障害を持った方がフィールドプレーヤーに、
上肢の切断障害を持った方がゴールキーパーになって1チーム7人で行う競技です。
日本ではまだ歴史も浅く、競技人口も多くありません。
2年に1回ワールドカップも行われており、競技規則も国によって違っていたのが統一されつつありますが、
日本では、ワールドカップで使われた競技規則を日本アンプティサッカー協会が自力で翻訳しながら
統一ルールを作って日本選手権大会の機会等に伝達している状況で、
講習ができるわけでもなく、解釈が役員にも競技者にもなかなか徹底しません。
アンプティの競技規則で難しいのは、競技者同士の接触の部分とフィールドプレーヤーの使う杖(クラッチ)の扱いです。
フィジカルコンタクトはサッカーと同じですが、杖を使ってのコンタクトや杖を使ってボールを扱うと反則です。
どうしても杖にボールが当たることが多く、サッカーのように「意図的に扱うとハンドリング」の見極めが大変難しいです。
プレーが早く、当たりも強く、身体のチャージなのか杖によるチャージなのか判定が難しいです。
他にも独特のルールもあり難しさを実感しました。
RA東京では、大会への審判協力に際し、まだこの競技を会員へ広く伝えていない現状を踏まえ、
役員だけでは無理と考え、RA東京長坂会長を通じ関東大学サッカー連盟審判エリートコースに協力を依頼し、
多くの学生が希望した中から3名を派遣いただけることになりました。
当日は、北海道、大阪、広島、大分、地元神奈川から合同チームも含め5チームが参加し、
ノックアウト方式で優勝を争いました。5試合の主審、第2審判、第3審判を上記3名とRA東京の会員2名で担当しました。
RA東京早嵜理事長、関東大学サッカー連盟関根審判部長の見守る中、選手の動きの鋭いドリブルに、
激しいコンタクトや強烈なフリーキックにシュート、オーバーヘッドも飛び出すなど1回戦から決勝戦まで熱い戦いが続きましたが、
難なく裁いて大会を無事にサポートすることができました。
終わった後は選手からねぎらいの言葉かけもいただき、お互い握手を交わし、
一生懸命プレーする姿と合わせて清々しさ溢れる光景が見られました。
大会が終わり年が明け、この競技に関わって1年がたち初年の活動を終えました。
RA東京では、1年かけて得たアンプティサッカーの競技規則の理解や大会参加の経験を踏まえ、
NPO法人が目指す一般社会への貢献という見地からも、
引き続きアンプティサッカーに対する審判分野での協力を行っていきたいと考えています。
会員の皆様にこのスポーツを知っていただき、
興味関心ある会員はじめ多くの人間でアンプティの活動を大会等でサポートするとともに、
関東大学サッカー連盟への審判依頼を継続し多くの学生に人間形成の学びを体験してもらうべく、
次年度に向けてまた新たな活動の方向性を模索しながら活動を進めて行きますので、
ぜひ皆様のご理解ご協力をお願い申し上げます。