RA東京「第63回SSC杯関東大会」に参加して
2015年8月29日 市川鋼一
NPO法人東京都サッカー審判協会(RA東京)は、小学生年代の大会「第63回SSC杯関東大会」の運営に審判として参加しました。
日時:2015年8月19日(水)
場所:大井埠頭中央海浜公園 第1球技場
参加メンバー:和田勝副会長、協力審判員8名
協力審判員:
(高学年担当)吉田豊宏、久世健太郎、市川鋼一
(中学年担当)郷隆義、佐伯忠彦、早嵜和幸
(低学年担当)青木伸彦、早嵜初美
大会当日は、気温30度を超える猛暑の中ではありましたが、雲が掛かる時間もあり、昨年度よりは気持ちに余裕が持てる日となりました。
審判は4人制、主審をRA東京審判団、副審と第四審判を大会スタッフが担当しました。今回は大会スタッフにも主審を経験していただく企画を立て、RA東京の審判団と共に低学年カテゴリーの主審を担当しました。
大会スタッフ審判とRA東京審判団
恒例となった大会スタッフへの審判実技講習会、今回は「ポジショニング(対角線式審判法)」をテーマにして実施されました。
RA東京審判団がプレーを演出してスタッフが主審と副審を行い、プレーを観るポジション、主審と副審のコミュニケーションなど、対角線式審判法を基本に実際の動きを経験する内容でした
短い時間ではありましたが、プレーを挟んで観るポジション、主審と副審の協力の重要性が確認でき、スタッフとのコミュニケーションもとれ、良い講習会ができたと思います。
また、この大会では、全力を尽くす、お互い助け合う、行為に対してグリーンカードを積極的に使います。フェアプレーチームの表彰もあり、サッカーを通して仲間との関係が育つという点でも一つの意義があるものと思います。
試合では、出場している選手皆がプレーに関わり、それぞれがボールにたくさん触る、ペナルティエリア付近での攻防も多くあり、選手自身が判断したプレーも多くみられました。8人制の効果が表れていると感じました。
我々審判団は、選手がプレーに集中して充実した試合になるように、ファールに対しては選手に理由を話してルールを理解してもらえるように、努めていきました。
試合後の選手の表情から、審判との関係も良好であったのではないかと思います。
主審は初めてというスタッフ審判の斉藤翔平さんから感想をいただきました。
『初めて主審をやりましたが、一番大切で一番難しかった事は、冷静に周りを見る事だと思いました。私はボールを見すぎだったので、一歩引いた目線で見つつ、ファールのジャッジができる審判の方々はすごいと思いました。今までプレーヤだったので、全く違った試合の感じ方が経験できた事は、私にとってプラスになっています。ありがとうございました。』
斉藤さんは、良く走って良い角度と適切な距離で争点を見極めようと毎試合努力されていました。実に若々しいレフェリングでRA東京審判も刺激を受けました。スタッフの大会運営に取り組む姿から、今大会がプレーヤだけでなく、審判のグラスルーツにも貢献する活動になればと思います。
表彰式では和田副会長からの総評がありました。
今回は「みんな、サッカーは好きですか!?」との問い掛けから始まり、「シュートするためにはボールが来るところを狙って走る。考えて動くことが大事。」と技術論が展開されました。こども達が真剣な目で聞き入っていたのが印象的でした。
表彰式 和田副会長の総評
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RAの存在意義 久世健太郎
羽田空港を離発着する飛行機が上空を横切るよりも、子どもたちの声や、保護者の声援が大きく聞こえたかもしれない。
この大会に携わるようになって、何回目だろうか。毎回感じさせられるのは、自分が一審判という立場だけではないということだ。子どもたちの試合の笛を吹くにあたり、ともに成長しなければならないという点、一緒になってこの大会を成功させなければいけないということがとても大きい。それは、サポートしてくれる副審やスタッフとのコミュニケーションでも感じる。そしてなによりも感じるのが、一緒に協力しているRAの仲間である。私のようなものが、図々しくも仲間という表現を使っていいのかわからないが、ともに大会をいいものにしようという思いなのは間違いないことだ。RAに入りたての私を毎回仲間として迎え入れてくれる方々にはこの場をお借りしてお礼を申し上げたい。なによりも、お互いコミュニケーションを取れることが素晴らしい相互関係だと感じる。年が離れていると、どうしても一方通行になりがちの会話だが、ここはそうではない。この大会を成功させようという目的のために、互いに協力しあい、創り上げていこうとする姿勢に感銘すら覚える。
前回大会までは中学年を担当させていただいたが、今大会からは、高学年担当となった。今回の審判団の中で一番年が若いからなのかもしれないが、現役の選手としても、プレーしている選手たちに走り負けないこと、そして一つ一つのプレーをなるべく近いポジショニングで見たいということを考えて臨んだ。最後まで諦めない姿勢、仲間を思いやる態度は見るものを圧倒させてくれる。そしてご父兄の方々の熱い声援や指導者からの指示など、高学年なだけあって的確な指示が飛んでいた。
審判団から見たら、数多くある大会の一つと思いがちだが、ご父兄や選手からしたら、今日この日にどれだけの感情があるか、そして朝、家を出てこの会場まで、いや試合開始のホイッスルが吹かれるまで、どれだけの思いがあるかを考えると、審判として、目の前の試合の重要性が必然とわかってくる。それは、審判という立場に携わる以上、どの大会もどの試合も、忘れてはいけない気持ちと言っても過言ではないだろう。
こども達の真剣な眼差しの先にRAの存在意義を見た気がする。
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以上。