令和元年度第2回審判法研修会実施報告
理事 小西のぼる
日時:令和元年11月23日(土)14時03分キックオフ
会場:味の素スタジアム
対戦:FC東京 vs 湘南ベルマーレ
審判:主審 東城穣、副審 山内宏志、村上孝治、第4の審判員 山岡良介
研修講師:植村久(サッカー1級審判インストラクター)
今回は、いつも講師をお願いしていた布施直次S級インストラクターが不都合だったため、
植村久1級インストラクターにご指導賜ることになりました。
事前課題は「選手交代」と「副審のオフサイド判定」の二つ。
前者は、皆様ご承知のように、競技規則の改正が的確に運用されて、
実プレイ時間が増加されているかに焦点を当てた課題。
後者は、副審判定を評価するにあたって「印象で批評する」のではなく
「定量的に分析する」方法はどうあるべきか、という課題でした。
残り3節時点で首位のFC東京と、
熾烈な2部降格争いの真っ只中の湘南ベルマーレという、好ゲームが期待される組み合わせ。
審判は、東京都が誇る国際審判コンビの東城穣さんと山内宏志さん、
当日が50歳の誕生日でJ審判引退試合となる熊本県の村上孝治さんでした。
ラグビーW杯でピッチコンディションが心配されましたが、
ハイブリッドターフは見た目も美しく、特に傷んだ様子もありませんでした。
実際、試合中でのイレギュラーバウンドも見受けられませんでした。
「選手交代」は6回の交代いずれも、たまたま退出する選手がフィールド中央付近に居たため、
従来通り、本部側タッチラインのハーフウェイ付近から退出となりました。
選手は皆、時間稼ぎする様子もなくジョギングで退出して、好感が持てました。
もしかすると、先のラグビーワールドカップにおいてラガーマン達がダッシュで退出する姿が影響したのでしょうか。
「副審のオフサイド判定」では、判定の質(難易度)と量(判断回数)と正確性の三つを
定量的に評価する重要性が講師から指摘されました。
私も、以前から「審判は一体何回判定する機会があるのだろう」と興味がありましたので、
オフサイド判断機会を数えてみたところ、A1、A2とも90分間で60回前後でした。
コーナーキックやゴールを狙うフリーキックでは立て続けに判定機会が起こり、
副審の集中力の必要性をあらためて感じました。
いずれも的確に判定され、5回のオフサイド採用と
いくつかのノットオフサイド(湘南の得点直前など)は納得のいく判定でした。
植村講師はご自身で用意されたビデオクリップも使って、ビジュアルな解説をしていただき、
これまでとはまた違った魅力の研修会になりました。
さて、研修後は恒例の懇親会。
何と岡田正義氏が、JFA審判委員会副委員長のレイモンド・オリヴィエ氏
(Jリーグジャッジリプレイで、歯切れのよい解説をして下さる姿をご存じの方も多いかと思います。)
を引き連れて、サプライズ登場となりました。
レイさんから、東城主審の審判ぶりについてのコメントや私たちへの励ましなどいただき、
とても有意義な懇親会になりました。
RATでは年に二回程度、こうした観戦研修会を企画しております。
多くの皆様の参加をお待ちしております。