RA東京「第62回SSC杯関東大会」に参加して
市川 鋼一
参加メンバー:和田勝副会長、協力審判員9名
NPO法人東京都サッカー審判協会(RA東京)は、今回も「第62回SSC杯関東大会」
の審判として運営に参加しました。
日時:2015年3月27日(金)
場所:大井埠頭中央海浜公園
協力審判員:
(高学年担当) 吉田豊宏、早嵜和幸、市川鋼一
(中学年担当) 郷隆義、佐伯忠彦、久世健太郎
(低学年担当) 加藤慎一、上島康昌、青木伸彦
大会は、晴天、桜が咲き始めた暖かい春の日に開催されました。
前回大会から、低学年、中学年、高学年の全カテゴリーとも8人制の試合形式を採用、
8人制に移行して2回目の大会となりました。
審判は4人制を継承し、各カテゴリーとも主審をRA東京審判団、
副審と第四審判を大会スタッフが担当しました。
恒例となった審判実技講習会、今回も「オフサイド」をテーマにして実施されました。
走り込む攻撃選手のオフサイド判定、ボールに触れたかどうかの見極めなど、
スタッフが実際に副審を担当して判定する形式で、質問も積極的にどんどん出てくるという良い講習会になりました。
また今回も、全力を尽くす、お互い助け合う、フェアに戦う、仲間を大切にする、
サッカーを楽しむ環境を与えてくれる人に感謝しているなどを感じた時、積極的にグリーンカードを示して褒めようということを審判団で共有しました。ドリブル突破やパスの狙いなど、この大会でのこども達のサッカー技術の向上はめざましいものがあります。
そして審判においてはオフサイドラインのキープと判定、
ゴールラインまで走るアウトオブボールの判定など、スタッフの審判技術も更に向上しています。
コーチ、スタッフの皆さんの取り組みがこの大会に表れていると感じました。
表彰式では和田副会長のお話がありました。
一生懸命に取り組んでください。
そしてシュートは…おもいっきり蹴ってもゴールの中に入らなければ得点にならない。
コロコロと蹴ってもゴールに入れば1点。
そういうところも考えてプレーしてください。」と、話されました。
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SSC関東大会に参加して
加藤慎一
今回のブイフィット大会は非常に個人的にもRA的にも充実した大会であったと思いました。
まず全学年が8人制になり、ボールがよく動き、私たちも走りまわされる場面が多くなった気がします。
8人制にして本当によかったと思います。
特に低学年では、子どもたちも何回もボールに触れて、そのたびに喜怒哀楽の表情が何度
も見られました。8人制によってサッカーが楽しめる雰囲気を作っていました。
低学年の子たちはとても上手でした。
次に低学年の最終試合、四和Bと世田谷聖母の試合は、
試合内容も自分が経験した近年で稀に見る内容の濃さと技術が高く、
子どもたちが無心に全力で試合をしていて、またすがすがしく
グリーンカードに手が何回も行くような内容でした。(実際に4枚)
すがすがしい態度であり、素晴らしい指導者がいらっしゃると感じました。
また両チームの親御さんからもお礼の言葉を言われたのも、この大会では経験したことのない出来事でした。
そして、今年2回目の吉田豊宏さん主導の審判講習会では、プラクティカルを20名強のコーチを相手に行いました。
オフサイド、ノットオフサイドの判定がテーマでしたが、後ろで説明しながら進めていると、
ひとつひとつの事例に質問が飛びかい、次の組が出発できないぐらいの質問と答えのやりとりが続き、
説明したり判定したり大変でした。声が枯れました(笑)。
試合中の副審技術も素晴らしいぐらいにレベルがだんだん高くなってきて、質問すればどんどん答えてくれるからか、
試合運営中でも質問が飛んできたりと、好奇心と熱心さが反映された講習および試合運営になりました。
私の低学年のところの5人の副審担当者の中で、主審をしてみたいという声を2人の方から聞きました。
今回はやり方がこうなので、勝手には代えられず遠慮してもらいましたが、「意向は上に伝えます」と言っておきました。
興味関心意欲向上心のある方には、現場判断で主審をやってもらってもいいのではないでしょうか。
ぜひ小澤リーダーに伝えていただきたいところです。
コーチの方々のこういう姿勢がこの大会を支えているのでしょう。
これらのことから、RAがこの大会を通じ果たす役割は非常に大きく、
奥深くまで我々の意図してきたことも染み込んできていると感じました。
毎年この事業には元気を貰いますが、8人制、審判講習、グリーンカード、
意欲的な試みで充実さを増してきたこの事業に対し今後も誠心誠意取り組み、
子どもたちと楽しくすがすがしい一日を過ごしたいと改めて感じました。
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フットボールは成長を手助けするのか?
久世健太郎
「サッカーは情熱だ!」という和田副会長のお言葉で幕を閉じた大会は、日に日にレベルアップしていると感じた。
それはなにも選手だけに限ったことではない。
選手のスキルアップは、まさにスキルアップサッカークラブの名前に負けないレベルで進化していることは言うまでもない。
今回で3回目の協力となった私が、なによりも驚いたのは、
指導者のレベルだ。私が指導者のレベルをとやかく言うのは、今回レフリーとして携わっているので畑違いかもしれない。
それでもフットボールファミリーとして、そして指導者としてもジュニアの育成に関わっている立場から言わせていただくと、
驚いたのが、指示が少なくなっている点だ。
今までは、よく「何番をマークだ!」とか、「どこにシュートしているんだ!」とかの、叱咤激励や指示を耳にする。
しかし、今回はその声が少なかった。それよりもよく耳にしたのは、
「すごいじゃん!」「頑張って点を取りに行こう!」「最後まで諦めない!」という声だった。
それゆえ、選手が生き生きとプレーしている。
さらには、親御さんが選手である子どもへの過剰なまでのアドバイスに対して、
コーチである指導者がそれを緩やかに制止している場面には、感銘を受けた。
この大会は各ブロックで勝ち上がってきたチームの戦いであり、強豪揃いで、いわば頂点を目指して戦っている。
勝ちたい気持ちは、選手はもちろん親御さんやコーチだって一緒だ。
しかし、熱くなる気持ちを選手に押し付けるのは違う。
フィールドでの成長を手助けするのは指導者であり、家庭での成長を手助けするのは親なのだからだ。
そのメリハリがあるからこそ、選手や指導者、そして親が協力して、今回のような素晴らしい大会の演出に繋がったのだろう。
その中に、目立たないレベルでレフリーも貢献していきたいと思う。
さらに思うのは、前回の大会からグリーンカードの普及が広まってきた点だ。
私が担当させていただいた中学年のカテゴリーでの試合前の挨拶やコイントスの際に、
あるチームは我々レフリーに対して、「グリーンカードください!!」と一列に並んで言われたのが新鮮だった。
思わず笑ってしまったが、とても心に響いた。
グリーンカードの意義を理解しているとともに、指導者がその意味合いや存在価値を伝えていることが素晴らしいと感じた。
このような指導者が選手の成長に携わっている大会は、この先も続くであろうし、また一つ歴史を作り、それがやがて伝統に代わるだろう。
フットボールが日本の文化になるであろう日もそう遠くはないのかもしれない。
グランドの近くから空を翔る飛行機を見て、そう感じた。