公式試合には、その試合を担当する審判が４人あるいは３人登録されて行われるのが正式な手順です。何らかの理由で交代する場合は、登録された審判の中で行うべきものです。試合中に、登録されていない審判が交代で入ることは普通ではあり得ないことです。ご質問の状況がどうして起こったかは定かでありませんが、前後半でそっくり副審が入れ代わることはあってはならないことです。きちんとしたリーグの運営が望まれます。

この場合の副審のとるべきポジションは、ペナルティーエリアの最前線と同じレベル、すなわち、最前線の延長上に位置することになります。このポジショニングは副審の基本的ポジショニングです。試合中、ゴールキーパーは何度かペナルティーエリアの最前線でプレーすることがありますので、いつでもこのポジションがとれるようにすることが大切です。

副審の基本的ポジションは、①ゴールラインを見通す位置、②ゴールキックが正しく行われるよう監視するゴールエリアの最前線の位置、③そしてペナルティーエリアの最前線の位置、最後に④オフサイドを監視する２番目の守備者の位置、このポジションを必要な時に忠実にとることが肝要です。

ロスタイム表示をしようと準備をしている時に、交代の選手が来た場合は、交代選手の手続きを優先させるべきです。その場合、交代の手続きをしている間に規定の時間がオーバーしてしまいます。そのため交代の表示をしてから、ロスタイム表示をすると、その時点から何分あると思われてしまう危険性があります。大幅に時間が過ぎてしまった場合には、ロスタイム表示は行わない方が誤解されずに済みます。

従って、この場合は、ロスタイムの表示をしない方が良いことになります。しかし、両ベンチにはロスタイムを何分とっているかを、ベンチに行って伝えるのが良いとされています。

副審のシグナルはルールブックに示されているのがすべてですから、ノーオフサイドのシグナルは示されていません。従って、手を前方に差し出して走ることは必要がないといえます。ただ、プレーヤーにオフサイドはないことの理解を容易にするために、時として行うことがあり、それがいつの間にかシグナルのように使う審判員がいるのです。正しくは、オフサイドの場合に旗を上げて合図することであり、ノーオフサイドであればオフサイドラインをキープして走ることです。

あなたが見た反則の内容と状況がはっきりしませんが、もし、それが重大な違反であったとしたら、副審であるあなたの主審への協力が不十分であったと言わねばなりません。あなたは、主審に合図を送る必要があったと思われます。試合前の打ち合わせで確認しておくことが大切です。

「プレーにかかわらない時間がある」というのは、ゲームが反対側のゾーンで展開されている時間を意味しているのだと思います。しかし、ゲームは決して止まることなく「常に動いています」から、副審のポジションも止まることなく「常に動いている」と考えねばなりません。つまり、ピッチに正対しセカンドディフェンダーの動きをしっかりと視野にとらえ自分のポジションを常に修正するのです。このことを、しっかりと実行してみてください。この経験を積むことによって、あなたの悩みは解決していくものと考えます。