ハンドリングの違反はインプレー中に、ボールを意図的に扱った場合に起こるのです。
　従って、この場合は、まだボールは投げ込まれていないのでアウトオブプレーの状態ですから、違反とはなりません。スローインをやり直すことができます。

＊スローインが正しく行われなかった（ファウルスローではなく）と考えてのやり直しです。

2019/20競技規則第15条には、「ボールを入れるとき、スロワーは、ボールが競技のフィールドを出た地点から、頭の後方から頭上を通して両手を用いてボールを投げなければならない」と記されているので、このケースではファウルスローとするのがよいでしょう。

ご質問の状況は、攻撃側プレーヤーが守備側のゴールラインの方向へスローインを行ったものと考えます。スローインされたボールはタッチラインを越えた時にインプレーとなります。そして、攻撃側のプレーヤーが守備側のゴールラインからボールを出したことになります。ゴールの中にボールが入った場合は、第１５条スローインの前文に書かれているように得点にはなりません。従って、いずれの場合も、あなたの判断通り守備側のゴールキックとなります。

ただし、実際の試合では起こらないことですが、守備側の選手のスローインしたボールが自陣のゴールに入ってしまった場合も、ゴールインとはならず今度は相手側のコーナーキックとなります。よくルールテストで「正しくスローインされたボールが誰にも触れることなくゴールに入った時はどうしますか」という問題が出されることがあります。その場合には攻撃側、守備側の両方の場合を考えて解答することになります。

ご存じのように守備側のプレーヤーが自陣のゴールキーパーへスローインしたボールをゴールキーパーが捕球したり、触れたりすれば間接フリーキックで罰せられます。このルールがなかった時はスローインされたボールが他のプレーヤー（守備側）に触れてゴールインしたのですからオウンゴールになって相手チームの得点となっていたのです。従って、ゴールキーパーがボールに触れた時に反則となるのですが、本来オウンゴールとしていたのですから、これを間接フリーキックにしたのでは反則した守備側が利益を得ることになりますから、攻撃側にアドバンテージを与えて得点を認めることになるのです。このケースは、普通は起こらないことと思いますが、プレーヤーがルールを知らない場合には起こり得るものと考えられます。ルールを知らないからという理由は成り立ちません。法律関係でいう「法の不知は許さず」です。

選手は夢中でプレーをしていますし、出来るだけ早くボールをスローインして有利に展開しようとしますから、時としてボールがフィールド内にあるにもかかわらず、ボールボーイからボールを受け取ってスローインしてしまうことがあります。その場合には、主審は直ちに笛を吹いてプレーを止め、一つのボールをフィールドの外に出し、スローインのやり直しとするのがよいと考えます。本ケースは主審の不注意といえます。また、スローインする選手が、ボールがフィールド内にあることを知っていて、受け取ったボールを投げ入れたとすれば、これも不注意であったといえます。

技規則第１５条スローインに記されているように、スローインからは直接得点することはできません。前半の質問の場合は、スローインが正しく行われたとすれば、ボールはインプレーになっていますから、再度行うことにはなりません。ボールはゴールラインを割っていますから相手のゴールキックとなります。従って、後半の質問の答えは相手のコーナーキックとなります。

ご質問の文章から読み取る状況を考えると、反則の笛はタイミング的にはボールがインプレーになってからですが、スローアーを惑わす行為はボールがインプレーになる前からと思われます。2019/20競技規則第15条2.反則と罰則に「スローワーを不正に惑わせたり妨げたりする相手競技者は、反スポーツ的行為で警告される。スローインが既に行われた場合、間接フリーキックが与えられる」とありますので、その選手を警告し、反則した選手の位置から間接フリーキックで再開されます。